月と十ペンス

イギリス

現在の世界各国の貨幣にはほとんど国名が入っていますが、かつて「日の沈まぬ国」と言われたイギリスのコインは例外。裏にも表にも国名がありません。下の写真はちょっと変わった7角形の50ペンスコイン。

50ペンス(1973)

表の肖像は当然というかエリザベス女王です。お次は10ペンスコイン。

10ペンス(1968)

このコインをよく見ると「NEW PENCE」と書いてあります。もともとイギリスは12進法と20進法を組み合わせた1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンスという複雑な通貨体系を持っていました。これは古代ローマで重さ1ポンドゥスの銀から240個のデナリウス(Denarius)銀貨を作ったことに由来します。しかし諸外国との通商にも支障が出るということで1ポンド=100ペンスに変更した後のペニーをニュー・ペニーと呼ぶわけです(注:ペンスはペニーの複数形)。

イギリスの作家サマーセット・モームの有名な作品に「月と六ペンス」がありますが、かつては6ペンス硬貨なるものがあったわけです。現在ならば「月と十ペンス」になっていたところですね。残念ながら私はイギリスの6ペンス硬貨は持っていないのですが、代わりにイギリスの植民地だった英領西アフリカ(現在のナイジェリア、シエラレオーネ、ガンビア一帯)および南アフリカの12進法時代のコインをご紹介しましょう。

英領西アフリカ、3ペンス(19??)
南アフリカ、6ペンス(1957)

英領西アフリカのコインの肖像はエリザベス女王の前のイギリス王、ジョージY世です。

それにしても、12ポンド15シリング9ペンスの買い物をして50ポンド札を出したらさてお釣りはいくらでしょう?なんてあまりやりたくない計算ですね。