カレイなる一族

桜の花びらがひらひらと舞い散り、新緑の葉がまぶしい季節に移ろいつつありますが、今回は「葉」に関連する言葉たちです。

まずギリシャ語で「葉」は「φυλλο(ピュロ)」、ローマ字で書くと「phyllo」。化学用語はギリシャ語起源のものが多いですが、「chlorophyll(クロロフィル)」は「chloro(クロロ=薄緑)」と「phyllo(フィロ)」の合成で「葉緑素」です。

一方でラテン語の「葉」は「folium(フォリウム)」。この単語に由来するのが「アルミホイル」や「ジェットフォイル」の「foil(フォイル=薄片、翼)」。「portfolio(ポートフォリオ)」の原義は、紙片を「port(ポート=運ぶ)」するためのホルダーの意味です。

さらに「folium」はフランス語に入って「feuille(フィーユ)」に変化。こちらはお菓子の「mille-feuille(ミル・フィーユ)」でお馴染みの単語ですね。「mille(ミル=千)」もの層状の生地が重なりあっている様子を表しており、漢訳(?)すると「千葉」ということになります。

これらの「phyllo」「folium」「feuille」の「P」と「L」あるいは「F」と「L」の組み合わせが、日本語の「ひらひら」「ペラペラ」といった擬態語と語感が似ているのは偶然でしょうか?かたや、漢字で「ひらひら」を表すのが、「葉」の下半分を構成している「枼」。ひらひらと舞う虫の「蝶(ちょう)」や、ペラペラの魚「鰈(カレイ)」の旁にも採用されています。「喋(しゃべる)」の漢字のニュアンスは、まさに日本語でも「ペラペラ」ですね。\(°・°)ノ