白黒の攻防

普段使っている用語の中には、囲碁に由来する言い回しが結構あります。ちょっと表にしてみました。

用語 意味
囲碁で用いる駒 布石(対局の初めになるべく広く石を置くこと)、定石、捨て石
石を置くこと 一目置く(弱者が予め石を一つ置くこと)、駄目、傍目八目、目論見
石の置き方 先手、後手、手違い、手詰まり、手を抜く、名手
石を置く台、転じて碁の勝負 序盤、中盤、終盤
(同上) 大局、対局、局面、結局、難局、戦局

他にも、石が活きるか死ぬかの「死活問題」や、変わったところでは碁の勝負でわざと負けた八百屋の長兵衛に由来する「八百長」も、囲碁に因む言葉です。

なお、宮城県白石市と青森県黒石市は、1988年から「白黒つけよう」と親善囲碁を行っており、いずれが白星を挙げても他方は白旗を揚げず、今も続いているようです。

ところで、まさに「目」を「白黒」させるのが「Othello(オセロ)」ゲーム。海外では一般に「reversi(リバーシ)」と呼ばれているこのゲームを「オセロ」と名付けたのは何と日本人。シェイクスピアの同名の劇中で、黒人の軍人「オセロ」とその妻である白人の「デスデモーナ」の関係が目まぐるしく変わることに因むのだとか。あの女性お笑いコンビはここまでの由来を知っての命名なんだろうか?


おまけ ― 囲碁の「碁」の字には「石」が含まれますが、将棋の「棋」は木偏というところが面白いですね(但し「碁」の原型は「棊」)。なお、将棋用語に由来する言葉にも、「高飛車」、「成金」、「持ち駒」、「捨て駒」、「将棋倒し」などがあります。