バリ雑言

内臓のレントゲン写真を撮るための「barium(バリウム)」検診、造影剤である硫酸バリウムを飲む苦痛、内臓を拡張するための炭酸によるゲップを我慢する苦痛、そしてバリウムを排出するための下剤による苦痛、と三重苦の検査らしいですね。実は私はまだこの検査を受けたことが無く、それどころか絵本「ひとまねこざる」に出てくる主人公のチンパンジー、ジョージが美味しそうに飲んでいた液体のイメージから、未だにバリウムに対する憧れを持っていたりします(;^-^A。それはどうでもいいとして、「barium」の語源はギリシャ語の「barys(バリス=重い)」。その「重さ」すなわち原子量の大きさがX線を通さない性質の要因となっています。

音楽用語の「baritone(バリトン)」も"重い"声の意味。物事の程度を測るための指標「barometer(バロメータ)」も本来の意味は「気圧計」です。気圧と言えば、1992年まで使われていた圧力の単位「mb(ミリバール)」の「bar(バール)」も重さに由来する言葉です。

この「mb」、今ではすっかり「hPa(ヘクトパスカル)」に置き換えられてしまいましたが、この移行の理由は「bar(=106dyn/cm2」がCGS単位系の単位であるのに対し、「Pascal(パスカル=N/m2」は世界的に採用が進むMKS単位系だったからです。単位の名前が変わっただけで数字が変わらなかったこの転換は、ほとんど混乱無く完了しましたが、それにしてもどうするつもりだろうと気になるのが、未だにヤード・ポンド単位系を使用しているアメリカ。1975年にはメートル法を採用するという法律を可決したにも関わらず、実態は何も変わらないままです。華氏←→摂氏の変換は言うまでもありませんが、一番タイヘンなのが複数の単位が絡む換算。タイヤの空気圧は「psi(pounds per square inch=平方インチ当たりのポンド数)」、燃費計算は「mile per galon(=ガロン当たりのマイル)」、燃費をさらに円換算しようなんて思ったらもうお手上げ状態なのです (-_-;)