年刊旅ガイド
スペイン
ご存知のように日本の5円玉、50円玉には穴があいていますが、コインに穴をあける主な理由には次のようなものがあります。
- 材料費の節約。
- 他のコインと区別しやすい。
- 偽造しにくい。
現在では穴の部分の材料費よりも穴をあける手間のほうがかかるため、もっぱら理由2と3のために穴があけられています。
ところで世界的に見ると穴のあいているコインというのは実は珍しいのです。東洋の鋳造式製法に対し西洋では打刻式が主だったことと、穴があいていると肖像画を入れにくいことがその大きな要因となっているようですが、スペインの25ペセタコインはその珍しい例外です。下は1990年と1991年の25ペセタコインです。
1992年に控えたバルセロナオリンピックの図柄となっています。さらに面白いのはこの後。毎年のようにデザインが変わり、スペインの各地方や都市を紹介してくれます。まずはオリンピックの年、1992年。
ちょっと汚れていて見にくいですが、アンダルシア地方の都市セビーリャ(セビリア)のシンボルであるヒラルダの塔が描かれています。1993年のコインは残念ながら所有していないので、お次は1994年のコイン。
こちらは大西洋に浮かぶカナリア諸島の紹介です。図柄は…現在調査中。ご存知の方は教えてくださいm(_"_)m。
1995年はカスティーリャ・イ・レオン地方。カスティーリャは英語の「キャッスル=城」にあたる単語で、カステラの語源ともなっています。足の生えたジュゴンのような絵が描いてありますが、これはアビラという町の近郊にある「ギサンドの牛の群」と呼ばれるケルト時代の牛の石像だそうです。
翌年1996年はラ・マンチャ地方はクエンカの「宙吊りの家」のデザイン。
そして1997年はアフリカ大陸モロッコに囲まれたスペインの飛び地メリリャです。ローマ時代にスペインが輸出していた調味料(ガルム)を詰めた長い壷が描かれています。
ユーロが通用し始めるとこのような特色のあるコインが無くなってしまうのが非常に残念です。
おまけ ― 日本では和銅開珎以来江戸時代まで、四角い穴の開いた貨幣が一般的でした。穴があれば紐で結えることができて持ち運びに便利、ということもありましたが、もともとは鋳造後に四角い棒を差し込んで、周囲にはみだした金属(鋳張り)を削り取るために利用されたそうです。
(2000/2/10執筆、2011/3/19更新)
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