大統領アルバム

アメリカ合衆国

アメリカのコインたちは「歴代大統領アルバム」です。まずは1セント硬貨から。

1セント(1976)

表には第16代大統領リンカーンの横顔、裏にはワシントンD.C.にあるリンカーン記念館が描かれています。コインを手にとってよ〜く見ると真中の柱と柱の間に小さなリンカーン像が描かれていることがわかります。1セント硬貨は俗にペニー(イギリスの通貨単位)とも呼ばれます。

次は5セントコイン。独立宣言の起草者である第3代大統領ジェファーソンです。

5セント(1976)

こちらも裏に描かれているワシントンD.C.のジェファーソン記念館とセットになっています。俗に「ニッケル」とも呼ばれます。

10セントコインは第32代大統領フランクリン・ルーズベルト。

10セント(1976)

10セントコインの別名は「ダイム」。なぜか1セントコインよりも小さな硬貨です。

25セントコイン(クォーター)はアメリカ建国の父、初代大統領のワシントンです。

25セント(1976)

1976年は建国200周年にあたる年だったため、裏側は通常のイーグル(アメリカの国章)ではなく特別のデザイン(植民地時代のドラマーだそうです)となっています。

続いて50セント(ハーフ)は第35代大統領ジョン・F・ケネディ。

50セント(1976)

やはり独立200周年の記念デザインとなっている裏面に描かれているのはフィラデルフィアにある独立記念館。ここで独立宣言が採択されました。この記念館の隣にはフィラデルフィアが首都であった1790年から1800年まで国会議事堂として使われていた二階建ての小さな建物があるのですが、アメリカの二院制、上院・下院の名はそれぞれの議会がこの議事堂の二階と一階で開かれていたことに由来します。

最後は第34代大統領アイゼンハワーの1ドルコイン。彼は第二次世界大戦中に連合軍最高司令官も務めています。

1ドル(1976)

裏面にはやはりフィラデルフィアにあり独立宣言採択時に打ち鳴らされた「自由の鐘」と、アポロの月面着陸を記念して月が描かれています。

しかしこの1ドルコイン、直径が約3.7cmもあって使いにくいため、ほとんど流通しませんでした。1979年には女権運動化スーザン・アンソニーの肖像をのせた直径2.6cmの1ドルコインも発行されたのですが、こちらは逆にクォーターと間違えやすくて評判が悪く、すぐに発行が中止されています。

1ドル(1980)

1ドルコインが流通しない要因として、1ドル札の海外での流通量が多い(通常、コインは海外では換金できない)ことに加えて、チップの習慣があるようです。同じ値段でも1ドル札より安っぽく思われるのでしょう。2000年には新しい金色の1ドルコインが発行されたのですが、さてどうなることやら。筆者は2000年の4月から5月にかけて一ヶ月ほどアメリカに滞在する機会があったのですが、その間に見かけた1ドルコインはたったの1枚だけ。それもスーパーのレジでキャッシャーの中にあるのを見つけ、1ドル札をお釣にくれようとしていたお兄さんに頼んでようやく手に入れたものでした。

1ドル(2000)