左右確認
「トム・ソーヤの冒険」の作者「Mark Twain(マーク・トウェイン)」の名は本名ではなくペンネーム。ミシシッピ川の蒸気船の船員がロープで水深を測って叫ぶ「Mark Twain!(=二目盛り)」という掛け声を採ったものです(「twain」は「two」の古語)。この測深ロープの一目盛りは「fathom(ファゾム)」という単位で、人が両手を伸ばした長さ。2ファゾム(=約3.6m)が船の航行のための安全水深だったのです。
日本にも、人が両手を広げた時の幅を表す「尋(ひろ)」という単位があります。「千尋(せんじん)の谷」(「千仞」とも書く)とは非常に深い谷のこと、「千と千尋の…」の主人公の名前でもある「千尋(ちひろ)」は「千尋(せんじん)」の深さを持つように、との願いが込められているのでしょう。一方で、「尋」の2倍の長さを表す「常(じょう)」という単位がありますが、こちらは「尋」も「常」もありふれた長さとされ「尋常」という熟語が生まれています。
ところで、中学で初めて「尋」という字を習った時、その書き方を「ヨ!エロ、すん(寸)ません」と教わりませんでした?この字の「ヨエロ」の部分、実は「左」と「右」の二字を合わせた形で、両手を広げることを表しているのです。そう、よく見ると「左右」という字に「エロ」が隠れているんですね。これを知ってしまったあなた、もう明日から「左右」を見る度にこの話を思い出してしまうことでしょう…
おまけ ― パソコンの周辺機器メーカーである「IOデータ(アイ・オー・データ)」という会社があるのですが、これを下手に手書きで書くと「エロデータ」に見えてしまうことがありますのでご注意を。あらぬ誤解を与えることになります。
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