おくじの恋人

中学校で英語を勉強し始めて割とすぐに習う成句「a lot of(ア・ロット・オブ)」。意味は「多くの」なのになぜ単数冠詞の「a」がつくのか、不思議に思っていた方も多いはず。今回はそんな「lot」の秘密に迫ります。

「lot」の元の意味は「くじ」。「ロト6」や「ミニロト」の「loto(ロト)」がお馴染みですね。ここから「lot」は、くじで貰った「分け前」の意味を持つようになります。北米では土地の区画のことを「lot」と呼びますが、これは開拓時代にくじで土地を分け与えたからとも言われます。日本語でも駐車場の区画のことを「parking lot(パーキング・ロット)」と言いますね。

「分け前」の「一山」「一組」「一口」も「lot」。「ロットで買う」とか「ロット番号」という時の「ロット」がこれに当たります。ここから「a lot of」や「lots of」という言い回しが出てきたのです。日本語の「沢山(たくさん)」の語源は「多山(さわやま)」ですので、まさに「lots of」という感じでしょうか?

ところで、日本を訪れるイタリア人は、宝くじ売り場にハンバーガーが売っていることに驚くのだとか。なぜかと言えばイタリア語の「lotteria(ロッテリア)」は「lot」の仲間で「宝くじ」の意味だから。「日本では宝くじ(=lotteria)は人気がありますか?」と尋ねたところ「日本ではマクドナルドの方が人気です」との返事が返ってきた、という笑い話もあるそうです。


おまけ ― ロッテリアの親会社である「ロッテ」に関する豆知識です。