ルーブル三変化

ロシア

下に掲載するのは、ロシアのルーブル硬貨です。

1ルーブル(1997)
2ルーブル(1997)
5ルーブル(1998)

日本語では全部「ルーブル」と言ってしまいますが、コインをよく見ると「1РУБЛЬ(ルーブリ)」、「2РУБЛЯ(ルブリャー)」、「5РУБЛЕЙ(ルブレイ)」とそれぞれ表記が異なります。これはロシア語の名詞が、1つの場合は単数主格、2つから4つの場合は単数生格、5つ以上の場合は複数生格と、三形態に変化するためです。2から4の単数生格はかつての「双数形」の名残とも言われます。なお、表側にはロシアのシンボルである双頭の鷲(ロシア帝国時代に東ローマ帝国から妃を迎えたことに由来)が描かれています。

お次はルーブルの補助単位カペイカ。ロシア連邦になってからは、2〜4カペイカの硬貨が無いので、ソ連時代のコインをご紹介します。

1カペイカ(1969)
3カペイカ(1970)
20カペイカ(1988)

コインの状態が悪くて読みづらいですが、「1КОПЕЙКА(カペイカ)」、「3КОПЕЙКИ(カペイキ)」、「20КОПЕЕК(カペーク)」と変化します。表はソ連の国章。周囲を囲む、労働の象徴である麦束は、他の共産国にも影響を与えました。いくつかの例をご覧ください。

ブルガリア
3ストティンカ(1951)
東ドイツ
5ペニヒ(1979)
モンゴル
15ムング(1981)

3の倍数のコインが多いのも共産国の特徴ですが、これは何故なのかは理由を研究中です ^^;

(2013/2/11執筆)