菜の花オンパレード
「菜の花」って一体何の植物の花かってご存知ですか?実は菜の花とは、アブラナを始めとして、その仲間であるカラシナ、コマツナ、タカナ、カブ、ハクサイ、キャベツなど様々な植物の花の総称で、正に"菜"の花を意味すると言えます。これらアブラナ科の植物には他にもワサビ、ダイコン、ブロッコリー、クレソンなどが含まれます。独特の刺激を持つカラシやワサビやダイコンが皆同じ仲間だというのも納得ですね。クレソンの香りも同じ化学物質によるものです。ところでかつては十字花科と呼ばれていたアブラナ科の植物にはもうひとつ、花びらの数が4枚で特徴的な十字型の花を咲かせるという共通点があります。今度、菜の花を見かけたら観察してみてください。「cresson(クレソン)」の名は、その花の形から「cross(十字形)」に由来するものです。
英語ではこれらアブラナ属の植物を指す言葉として「cole(コール)」という単語があります。「coleslaw(コールスロー)」はキャベツのサラダ、「kale(ケール)」、「cauliflower(カリフラワー)」、「kohlrabi(コールラビ)」の野菜の名にも「cole」が含まれています。ドイツの「Kohl(コール)」元首相の名はまさに"キャベツ"を意味するもので、在任中よくからかわれていました。形がかなり変化してしまっていますが、フランス語でキャベツを意味する「chou(シュー)」も「cole」の兄弟に当たります。「chou à la crème(シュー・ア・ラ・クレーム=シュークリーム)」はその形をキャベツに見立てて名付けられたお菓子です。因みに英語ではシュークリームのことを「cream puff(クリーム・パフ)」と呼びます。「シュークリーム」を頼んだら「shoe(シュー=靴)」を磨くためのクリームが出てきたという笑い話もありますのでご注意ください。
おまけ ― カラシはカラシナの種を粉にして作ります。カラシは漢字で「芥子」と書きますが、「芥子」はケシとも読まれます。これは、ケシの種(=ポピーシード)がカラシナの種と同様に非常に小さいことから転用されたものです。微細なものを例える際に「芥子粒(けしつぶ)のような」という表現を使うことがありますが、この場合は「カラシツブのような」と読んではイケマセン ^^;
Copyright © 2007 KOJI UEDA. All rights reserved. |