あなたが喜ぶなら...

英語の「please(プリーズ)」という単語、「どうぞ」とか「お願いします」の意味で使いますよね。中学校1年生で習うこの単語ですが、ではなぜ「please」なんでしょうか?なんていうと普通の方は「そんなもん、pleaseはpleaseなんだよ」と思われるかもしれません。

「please」にはご存知のように「喜ばせる」というもう一つの意味があります。「Pleased to meet you(=はじめまして)」は直訳すれば「あなたに会って(私は)喜ばせられました」ですから、この「please」は「喜ばせる」の意味です。実はこちらの意味の方が元祖なのです。ではこの「喜ばせる」という単語からどうして「どうぞ」という意味が出てきたのでしょうか

そのヒントはフランス語にあります。前回も出てきましたが、フランス語で「どうぞ」は「s'il vous plaît(シル・ヴー・プレ)」と言います。英語のプリーズに比べると何か長ったらしいですね。「s'il」は「si il」の短縮形で、英語に直すと「si」は「if」、「il」は「it」の意。「vous」は「you」、「plaît」の原形は「plaire(プレール)」で英語の「please」にあたります。要するに「if it please you(=もしそれがあなたを喜ばせるならば→よろしければ)」と言っているわけです。これが簡略化されて今の「please」になりました。普段は気にも留めない単語にもちゃんと由来があるのですね。

では「will(ウィル)」はなぜ「〜だろう」という未来の意味を表すのでしょうか?この単語のもうひとつの意味は「意志」。「Iron Will(アイアン・ウィル)」という映画がありましたが、これは「鉄の意志」と「鉄人ウィル(主人公の名前)」を掛けた名前です。もともと「I will 〜」は「私は〜したい」という希望や意志を表していたわけですが、次第に未来一般のことを意味するようになっていったのです。