もっとぽっちー

女性の持つ小さなバッグ「ポーチ」、おそらく「pouch〔英〕(=小さな袋)」が語源なのでしょうが、本来の発音は「パウチ」。そう、「レトルト・パウチ」の「パウチ」です。英語では有袋動物の袋のことも指し、例えば「pouched dog(パウチト・ドッグ)」と言えば「フクロオオカミ」の意味。でも何だか「レトルト犬肉」を想像してしまうのは私だけでしょうか(;^-^A

この「pouch」の親戚にあたる英単語が「poke(ポーク)」。同じく「袋」を意味しますが、これに指小辞「-et」がついた形が「pocket(ポケット)」です。「pouch」にあたる現代フランス語の単語は「poche(ポシュ)」。これにやはり「-et」がついて「pochette(ポシェット)」になりました(指小辞については「ロバっち、糸っち、タオルっち」をご参照ください)。

ところで関西で「ポチ袋」と言えばお年玉や御祝儀を入れる小さな袋を指します。ひょっとしてこれも「pouch」と関係があるのではないかしらと、現在調査中。それともフランス語の「petit(プチ=小さい)」袋?でも実の所は「これっぽっち」袋の略だったりして…(-_-;)


追加情報 ― 堀井令以知『大阪ことば辞典』(東京堂出版)には、ぽち袋の語源として「ポチはポッチリ(ほんの僅か)の意からか。フランス語のプチからというのは民間語源説。」とありました(民間語源説=一般に信じられているが根拠の無い説)。ついでに飼い犬の名前「ポチ」については同じく東京堂出版の『基本外来語辞典』に英語の「spottie(スポッティ=点のような→小さい)」からとの説、フランス語の「petit」からとの説がある、と書かれています。後者が本当だとすると、「花咲かじいさん」の歌にフランス語が使われていた!?