中国、茶・茶・茶
お茶は中国が発祥の地。その歴史は古く、紀元前から飲まれていました。さて、中国語でお茶はもちろん「茶」、北京語でも広東語でも日本語と同じく「チャ」と発音します。インドやトルコで紅茶のことを「チャイ」「チャーイ」などと呼ぶのはこの広東語に由来します。
中国からヨーロッパにお茶が伝わったのは17世紀初めのこと、オランダの東インド会社が最初の輸入元だったのですが、お茶の産地、福建省は廈門(アモイ)港で取り引きが行われていました。福建省の方言では「茶」は「デ」に近い発音をするで、オランダ人はこれを「thee(テー)」と言う名でヨーロッパに伝えました。もうお分かりですね、英語の「tea(ティー)」、フランス語の「thé(テ)」も中国語由来なのです(但し、当時輸入されていたのは緑茶で、発酵茶である紅茶が輸入されるようになったのはそれから150年も後のことです→詳しくは『CAFE COUPOLE』のページ)。
さて、紅茶を飲むのに欠かせないのがカップ。現在は磁器のものがほとんどですが、この磁器も中国が発祥の地。英語で「china」と小文字で書くと磁器のことをさすほどです。因みに「japan」と小文字で書くと「漆器」を意味し、「…に漆を塗る」という動詞用法まであります。ついでに「korea」は何の意味だろうと辞書を引いてみましたが見当たりませんでした。
日本ではお茶は縁起の良いものとされよく贈り物に用いられますが、これは「茶」の字のくさかんむりを「廿(=二十)」、それ以外の部分を「八十八」と解釈して合わせて「百八」、すなわち長寿につながるからだそうです。実際、百八歳のお祝いを「茶寿」と呼びます。他の歳の祝いにもこのような文字遊びの面白い名前がついているのでご紹介しましょう。
名称 | 年齢 | 意味 |
喜寿 | 77 | 「喜」の草書体から「七十七」 |
傘寿 | 80 | 「傘」の略字体から「八十」 |
半寿 盤寿 |
81 | 「半」を分解して「八十一」 将棋盤の桝目は「九」×「九」=「八十一」 |
米寿 | 88 | 「米」を分解して「八十八」 |
卒寿 | 90 | 「卒」の略字体から「九十」 |
白寿 | 99 | 「白」=「百」−「一」 |
紀寿 百寿 |
100 | 「一世紀」の「紀」 そのまんま |
茶寿 | 108 | 「茶」=「廿(=二十)」+「八十八」 |
皇寿 川寿 |
111 | 「皇」=「白(=九十九)」+「一」+「十」+「一」 「川」=「111」 |
昔寿 | 120 | 「昔」=「廿(=二十)」+「百」 |
この他、『人生寿暦』のページによると「天寿」は182歳のことだと書かれているのですが、これは仏教と何か関係ある数字なんでしょうね(「天」をどうひねくっても百八十二にはなりそうにないし…)。そこまで長生きするつもりは無いからどうでもいいか(^.^)。でもやっぱり気になるのでご存知の方はこっそり教えてください。
おまけ ― 紅茶といえばイギリス、イギリスといえば紅茶ですが、実際イギリスはヨーロッパでコーヒーよりも紅茶の方が多く飲まれる唯一の国です。この理由の一つは、17世紀以来イギリスが東洋との紅茶貿易を独占していたことにあります。アメリカでもコーヒーの方が圧倒的に人気がありますが、植民地時代にイギリスによって課された茶税と、これに反対して引き起こされたボストン茶会事件の影響が大きいでしょう。
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